ハマった瞬間
みなさん、「watashi lassic.」(以下WL)という隠れた?名シリーズをご存知ですか?
レトロなイラストデザインと、使用目的が明確な商品ラインナップが魅力のシリーズ。
問い合わせ率も高く、(そしてその内容は愛が強いものばかり)、根強い人気です。
WLは個人的にも思い入れの強い商品の一つで、あれは今から遡ること約3年前…。
入社当時の私は、デザイン文具メーカーとしての営業に大苦戦。
前職と業界は変わったが、営業経験は約10年あったので、
それなりに出来るだろうと思っていたのが、まぁ甘かった。
自社商品の魅力を上手く伝えられず、バイヤーさんの頭の上には?マークが…。
今思えばね。当時は必死でそれすらも分からなかったですよ。
その頃商談していただいたバイヤーさん達には本当に感謝です。
また、当社は週一でミーティングがあり、営業は現場の声を社内にフィードバックするという大切な役割があったのですが、私はそれがとても苦手でした。
だってそうですよ、初めての業界だもの!
…はい、開き直りました笑。
そんな駆け出しの頃から、このWLは何故か気になる存在で、ひと際熱く営業をしていました。
良さを伝える為にはまず自分が使ってみないと。
その頃映画にハマっていたので、商品の中の一つ、「ジャーナルノート」の「MOVIE」を実際に使用してみました。
あらかじめ書かれたフォーマットに従って、観た映画の内容を書くだけで備忘録ノートの出来上がり。
ただ、私はこういったセンスが無いので、申し訳程度のマステでデコり、
あとはひたすら黒のボールペンで書き込んでいく。
まるで写経みたいなノートが出来上がりました。
映画や読書をはじめ、記録をしておきたいことって案外多くて、
そのニーズに応えられていることと、
ノートを見返せばその時の記憶がけっこう鮮明に蘇るので、
これは素晴らしいものだ!と自社商品の良さを再確認。
この想いをバイヤーさんにきちんと伝えたら導入につながるのではないか、
ある種の確信が芽生えた瞬間でした。
早速、写経みたいなノート(と、デザイナーさんが描いたカラフルで素敵なサンプル)を持って、
当時のメインクライアントだったT社に持ち込みました。
写経みたいなサンプルと、素敵なサンプル(←大半はこっちのおかげ)を見せると、
これはいけそうだ!ということになり、90cm幅の棚を2段空けて使わせてくれることに!
初めて自分の熱意と提案ストーリーがカチッとハマった瞬間。今でも鮮明に覚えています。
商品陳列の際には、素敵なサンプルもしっかり並べてもらい、
お客さんが足を留めたくなる売場を作っていただきました。
初動は好調。3日ほどですぐにリピート発注が。
その後も最後まで動きが鈍ることなく��れ続けました。
売場での展開終了後、お客様からのフィードバックで色々なことが分かりました。
サンプルが売場の目を引いたこと、
立ち止まって手に取るお客さんが多かったこと、
サンプルがとても素敵だったこと、
など、売場の「生の声」を入手することに成功。
「使い方が具体的にイメージできるよう、使い方の書かれた用紙を入れた方が良い」
というその時いただいたアドバイスにはとても納得させられ、週一のミーティングで早速社内にフィードバック。
その意見は社内的にも盲点で即採用となり、すぐにパッケージ変更が進められました。
店頭での分かりやすさ、使うイメージが湧きやすくなり、バイヤーさんの評価が上がると同時に導入店舗も増加。
紙博や文具女子博などの物販イベントでも、集客力の高い主力商品の一つになりました。
商品の特性理解、提案のストーリー作り、各クライアントの売場に合わせた最適な提案など、
この業界の営業としてとても大切なことを学び、小売り営業が一気に面白くなった印象的な出来事でした。
この姿勢は常に持ち続けなくてはいけないし、さらにレベルアップさせるべく日々の活動に取り組んでいます。